額のシワはよくご相談を受けるお悩みの一つです。
そこで、額のシワのボトックス治療について数日に分けて少し詳しく書いてみることにしました。
まずは①シワの原因・ボトックス治療が適した人、についてです。
「額のシワが気になるのでボトックスを打ってください!」と診察室に入るなりご希望をいただくこともありますが、額のシワの場合、ボトックスを単純に打って良い場合と、そうでない場合があるため、診察室でよくお話しをさせていただいてから適応を見極めた上で、ボトックスが適した場合にのみ施術させていただきます。
(お話をしながら、自然に出る表情のクセを観察していますので、少し目線が泳いでいるかもしれません)
額のシワは原因がいくつか重なって出来るもので、その原因に個人差が大きく、その主因を見極めて治療方法を選択する必要があります。
主な原因には以下のものがあります。
①額の筋肉(前頭筋)を動かすクセがある
②額の皮膚の弾力が衰えてきている
③眼瞼下垂・眉毛と目の間の皮膚がたるんできたのを無意識に自分で補正している(眼瞼下垂・まぶたのたるみ)
そして、40代以上の額のシワでお悩みの方のほとんどに①~③の全部が当てはまります。
そのどの要素が強いか、によって治療法が異なってきます。
これらのどれにボトックス治療が適しているか、というと
①額の筋肉を動かすクセがある方で、筋肉の動きを緩めることでシワが減ります。
ただし、筋肉の動きが活発過ぎるとシワを無くした問題(後日に続く)も増えるので要注意です。
逆にどの場合に額のボトックスはあまりお勧めできないか、というと
③眉毛と目の間の皮膚のたるみが強い場合 です。目を開くために無意識に使っていた前頭筋にボトックスが作用すると、瞼が重い、瞼のかぶさりが強くなる、という症状がでることがあります。ですから、もともと眼瞼下垂のある方ではお勧めできません。
また、リラックスした状態でもシワが深く刻まれている場合、(眉毛を上げようとしなくてもシワがすでにある、手で額を伸ばしてもシワが消えない方)ボトックスだけでは額のシワは改善しないため他の治療との併用が必要です。
つまり、まとめると額のボトックス単独の治療で効果を満足していただきやすい方は、
・額を動かすクセがあるが程度は軽い
・まぶたと目の間のたるみが少ない
・眼瞼下垂ではない
・額のシワが気になってきたけどリラックスした状態ではシワはない
という、結構な条件をクリアする必要があります。
それ以外の方はボトックス以外の治療(後日記載)も併せてご検討されることをお勧めする場合が多い、と言えます。
後日、②額のシワのボトックスの問題点 に続きますね。
西田美穂