免許証の更新に行き、自分が5年で6回引っ越して7個の住所を持ったことに気付きました。
裏書は2枚目に突入し、住所変更に行く度に警察でも苦笑いされていました。

一つ一つの引っ越しには、その時々で私なりにちゃんとした理由がある(つもり)のですが、こうして眺めてみると、我ながら正気の沙汰とは思えません。

確かにこの5年は色々ありました。

1回目は結婚で引っ越しました
2回目は職場が変わり引っ越しました
3回目は妊娠し、手狭になったので引っ越しました
4回目は3回目の家が広すぎて手に負えず引っ越しました
5回目は隣の南東角部屋に引っ越しました。
6回目は東京に勉強に行きました。
7回目は福岡に戻ってきました。

3回目と4回目と5回目はもう少し慎重に吟味すれば引っ越さなくても済んだのではないだろうか。熟慮が足らなさすぎる。

この引っ越しに使ったエネルギーと経済的負担を考えれば、持ち家を持てたのではないか。
でも、家を持ってしまったら、引っ越せなくなるではないか。

いつの間にか、引っ越し先を探すサイトを見るだけでワクワクし、グーグルマップでそこに住むことを夢想してはドキドキしてしまうこの胸の高鳴りはなんなのか。

自分の荷物が段ボールに詰められ、トラックに積まれドアが閉まり、抜け殻となった元の部屋に感謝して去る時の爽快感は、何物にも代えがたいものがあります。

通常、「魔」が付く行為は「放火魔」「強姦魔」などマイナスすぎる衝動行動を起こす人に使われる事が多いなか、犯罪とは程遠いにも関わらず「引っ越し」を繰り返す人が「引っ越し魔」と呼ばれるワケが少しわかります。

私は、自分が「かに座」だからなのではないか、と思っているのですが、全国のかに座の皆さん、脱皮の代わりに引っ越したくはなりませんか?

諸国を漫遊した、かの水戸光圀がかに座だと知り、「ほうら、やっぱり。」と旦那に言ったら、「あれは、史実と違う」と冷たく返されました。

西田美穂