「身のほど知らずの愚か者、私を退治にくるなんて」ごっこ とか、 「分人」とか。

「身のほど知らずの愚か者、私を退治にくるなんて」ごっこ とか、 「分人」とか。

私は歌舞伎観賞が趣味です。「歌舞伎の何が面白いと?」と聞かれますが、見所はたくさんあります。
一言でいうと、「カブキじみたこと」が、とても面白くて好きです。
細かくいうと、派手な彩色を組み合わせた着物も好きですし、和楽器のハーモニーも好きですし、大げさなセリフの節回しも好きですし、染五郎さんも猿之助さんも、最近は七之助さんも好きです。
ところで、現実を歌舞伎じみたテンションで乗り切れば楽しくなるなあ、と妄想することがあります。
例えば、はらの立つことがあった場合、
北九州弁では「ぶちくらされたいんかちゃ、きさーん」でシンプルに完結しますが、
歌舞伎の場合、
着替えて、メイク(隈取り)を変え、髪の毛を逆立てて、道具をもち「恨みはらさでおくべきか」などと、いちいち見得を切りながら何度も怒りを繰り返して語る訳で、ただ「怒る」だけでめんどくさいんです。
その「無駄」とも言える様式の「めんどくささ」の中に美しさとか面白さがあって、好きなんです。
と、まあ、以上が全部前置きで、以下は全部くだらないことなんですけども・・・
息子が保育園の劇の練習をしていて、「身のほど知らずの愚か者、私を退治にくるなんて」と言いだしました。
オズの魔法使いの魔女のセリフらしいんですけども、これを歌舞伎調で言うと、とっても語調が良くて、「身のほど知らずの愚か者、私を退治にくるなんて」を、息子が色々なことを仕出かす度に、言い方と単語をアレンジしつつ、楽しみながら怒りとばしました。息子には、時々、かなりイライラさせられますが、歌舞伎調で怒ると、こちらも感情を程よくコントロールでき、良いようなので、しばらく「カブキじみた母」でいようと思っています。
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作家の平野啓一郎氏は「分人」という考えで人格の分断により自死を防ぐ方法などについて語っていらっしゃいましたが、(コチラ)自己を分人として切り分け、「ごっこ」で護ったりすることは人生を生き抜く上で、必要なことだと思います。

 醜いことを言葉で美しくしたり、つまらないことを面白く考えたりする脳内変換ができたなら、毎日穏やかに幸せに暮らせるね。