呪われた手術

19歳の頃、扁桃腺が度々腫れて高熱が出ることが続いたため、扁桃腺手術のため入院しました。

当時、大学の同級生として仲の良かった 現在の夫が、わざわざお見舞いに来てくれたことが今でも忘れられません。

それは、嬉しかったから、なんてラブな理由ではありません

手術前日に持ってきてくれた差し入れの本のタイトルが衝撃だったからです。

「呪われた手術」

たとえ、それが手塚治虫大先生の名作だったとしても、です。

人生初の手術を翌日に控え、まるで生まれたばかりの小鹿のように小さく震えていた19歳のウブな私に、よくぞそんなタイトルの本を選べたものです。

彼は、入院で退屈しているであろう私に、いくつか面白そうな本をチョイスして持ってきてくれたらしく、悪気があったわけではなかったようなのですが、

無邪気も度が過ぎれば罪です。

そんな無神経な輩とまさか15年後に結婚し、その彼が最も善き理解者になるとは、当時の私は知る由もありませんでした。彼もまた、せっかくお見舞いに持参した本を突き返して罵るような女と結婚するとは、思いもよらなかったことでしょう。

人生は予測できないから面白い。

西田美穂